Windowsの起動が遅い・動作が重いの対処方法はこちら
はじめに
Windows Updateや、PCのセキュリティスキャンなどの処理により、Windowsの動作が一時的に遅くなる場合もありますが、常に起動や動作が遅い場合は、PCに何らかの問題が発生している可能性があります。PCの起動や動作を遅くする要因には、次のようなものがあります。
【Windowsの起動が遅い・動作が重いときの主な原因】
- - ディスクの空き容量が極端に少ない
- - 物理メモリが不足している
- - Windows起動時に自動で起動するアプリが多い
- - バックグラウンドで動作する(常駐)アプリが、CPU・メモリを消費して負荷をかけている
- - Windowsが不安定になっている
- - PCのスペック(性能)が低い
- - PCがウイルスやマルウェアに感染した...など
本記事では、ディスクの空き容量が少ない時の対処方法やスタートアップ・常駐するアプリの停止、システムの最適化などの対処方法を中心に紹介します。
公開日: 2022/06/15 ・ 最終更新日: 2022/09/20 ・ 著者:まきばひつじ ・ この記事をシェアする
STEP1 ドライブの空き容量を確保する
システムやアプリが安定して動作するためには、ストレージデバイス(ハードディスクやSSDなど)に十分な空きが必要です。このステップでは、不要なファイルやアプリを削除して、ドライブの空き容量を確保する手順を紹介します。(空き容量が十分にある場合は、この手順をスキップしても構いません)
ドライブの空き容量はどのくらい必要ですか?
ワンポイント
ディスク容量で特に重要なのは、システムがインストールされたCドライブの空き容量*1です。
PCの仕様や使用状況により違いはありますが、空き容量がCドライブ全体の1割以下(または15GB〜20GB以下)*2を割り込むと、Windowsの起動が遅くなったり、動作が重くなる可能性があります。
ドライブの空き容量を確認し、空きが少ない場合は、本ステップを参考にドライブの空き容量を確保してください。
【Cドライブの空き容量の確認方法】
- エクスプローラーのアイコンをクリックして起動します。
- ナビゲーションウインドウ(エクスプローラーの画面左枠)にある[PC]をクリックします。
- 表示されたCドライブの空き容量*3を確認します。
(A)ディスククリーンアップをする
ディスククリーンアップは、Windows10・11に標準でインストールされているメンテナンスツールです。ディスククリーンアップを使用すると、不要なファイルを簡単な手順で削除することができます。
1[スタート]>[Windows管理ツール]*とクリックします。
*Windows11の場合は、[スタート]>[すべてのアプリ]>[Windowsツール]とクリックしてください。
2[ディスククリーンアップ]をクリックして起動します。
3[システムファイルのクリーンアップ]ボタンをクリックします。
[システムファイルの…]をクリックします。
4 削除したいファイルの項目をクリックして、チェックをつけます。
項目にチェックをつけます。
ワンポイント
この項目にチェックをつけたら良いか分からない場合は、下記リストのファイルを削除するか、こちらのQ&A を参考に削除するファイルを選択してください。
5 削除するファイルを選択したら、[OK]ボタンをクリックします。
[OK]ボタンをクリックします。
6 確認メッセージが表示されたら[ファイルの削除]ボタンをクリックします。
[ファイルの削除]ボタンをクリックします。
デスクトップアイコンを整理しよう
ワンポイント
デスクトップにたくさんのアイコンを置くと、デスクトップの読み込みに時間が掛かり、パフォーマンスが低下します。PCへの負荷を軽減するためにも、デスクトップには必要アイコンのみ配置してください。
*デスクトップ内に作成したサブフォルダーにファイルを移動することでも、デスクトップの表示パフォーマンスは改善します。
最適化(デフラグ)は実行した方が良いですか?
ワンポイント
PCに接続されているドライブがハードディスクで、ファイルの断片化が進んでいる場合は、最適化を実行してください。最適化(デフラグ)は、Windows標準のメンテナンスツールのひとつです。デフラグによるファイルの断片化を解消することで、ファイルの読み書きのパフォーマンスを改善することができます。
【ストレージデバイスがSSDの場合】
SSDの場合、手動で最適化を実行する必要はありません。
SSDで最適化を実行すると、削除したファイルが使用していたデータ領域を完全に解放するTRIMコマンドの処理が行われます。この処理により、データ領域上書き時の処理を減らし、ファイルの書き込みパフォーマンスが向上しますが、効果は限定的です。
【最適化(デフラグ)の方法】
- [スタート]>[Windows管理ツール]*とクリックします。
- [ドライブのデフラグと最適化]をクリックします。
- Cドライブを選択して、[最適化]ボタンをクリックします。
*Windows11の場合は、[スタート]>[すべてのアプリ]>[Windows ツール]とクリックしてください。
(B)利用しないアプリを削除する
PCにインストールされているアプリの中から、利用しないアプリをアンインストールして、ドライブの空き容量を確保します。
1[スタート]ボタンをクリックします。
2[(設定)]ボタンをクリックします。
3[アプリ]をクリックします。
[アプリ]をクリックします。
4[アプリと機能]をクリックします。
[アプリと機能]を選択します。
5 削除したいアプリ名をクリックします。
削除したいアプリをクリックします。
6[アンインストール]ボタンをクリックします。
[アンインストール]ボタンをクリックします。
7 メッセージが表示されたら、[アンインストール]ボタンをクリックします。
[アンインストール]ボタンをクリックします。
8 アプリのアンインストール画面が表示された場合は、メッセージに従ってアプリを削除してください。
1[スタート]ボタンをクリックします。
2[設定]をクリックします。
3[アプリ]をクリックします。
[アプリ]をクリックします。
4[アプリと機能]をクリックします。
[アプリと機能]をクリックします。
5 削除したアプリの(3点リーダー)をクリックします。
(3点リーダー)をクリックします。
6表示されたメニューの中から[アンインストール]をクリックします。
[アンインストール]をクリックします。
7 メッセージが表示されたら、[アンインストール]ボタンをクリックします。
[アンインストール]ボタンをクリックします。
8 アプリのアンインストール画面が表示された場合は、メッセージに従ってアプリを削除してください。
【質問】アンインストールがクリックできません
一部のアプリで、アンインストールの項目がグレーアウトしてクリックすることができません。どうしたら削除できますか?
回答
フォトやマップ、Cortanaなど、一部のWindows標準のアプリは削除できないように制限がされています。
これらのアプリをアンインストールするには、Windows PowerShellで、特殊なコマンドを使ってアプリを削除する必要があります。
→ 通常の方法でアンインストールすることができないアプリを削除したい場合は、こちらのページ を参照してください。
STEP2 自動起動・常駐するアプリを停止する
PCにインストールされているアプリには、システム起動時に読み込まれるアプリ(Windowsサービスアプリ)や、ログイン時に自動で開始されるアプリ(スタートアップ アプリ)があります。これらのアプリの中には、システム稼働中にバックグラウンドで常駐するタイプもあり、Windowsの起動が遅い、動作が重い症状の原因になります。
このステップでは、利用していないサービス・スタートアップ アプリを停止することで、PCに掛かる負荷を減らし、起動や動作スピードの改善を図ります。
(A)サービス・スタートアップを停止する
Windowsのブート・ログイン時に読み込みされるアプリを停止するには、システム構成(msconfig)とタスクマネージャーを利用します。
1[スタート]ボタンを右クリックします。
2[ファイル名を指定して実行]をクリックします。
3 名前欄に msconfig とコマンドを入力します。
msconfig
コマンドを入力します。
4 入力したら[OK]ボタンをクリックします。
[OK]ボタンをクリックします。
5 システム構成が起動したら、[サービス]タブをクリックします。
[サービス]タブクリックします。
6[Microsoftのサービスをすべて隠す]にチェックをつけます。
[Microsoftの...]にチェックをつけます。
7 利用しないアプリのチェックを外します。
利用しないアプリのチェックを外します。
8 画面右下にある[適用]ボタンをクリックします。
[適用]ボタンをクリックします。
ワンポイント
Windowsサービスアプリは、システムブート時に自動的に読み込まれ、ユーザーインターフェースを表示せずに起動します。下記のリストを参考に、利用していない または 利用頻度の低いアプリ のチェック項目を解除してください。(表示される項目は環境により異なります)
★マークのついた項目は、セキュリティ関連アプリのため、停止は非推奨です。
Windowsサービスアプリ名 | サービスの概要 |
---|---|
Bonjourサービス | iTunes関連のサービスです。(ネットワーク上のApple製デバイスを検出します) |
Google Chrome Elevation Service(GoogleChromeElevationService) | Google Chrome関連のサービスです。 |
Google Update サービス(gupdate) | Google DriveなどのGoogleアプリ関連のサービスです。 |
Google Update サービス(gupdatem) | Google DriveなどのGoogleアプリ関連のサービスです。 |
Leawo CdRom Device Access Agent Service | Leawo関連のサービスです。(Leawo関連アプリでディスクを制御します) |
McAfee Activation Service ★ | McAfee関連のサービスです。 |
McAfee AP Service ★ | McAfee関連のサービスです。 |
McAfee CSP Service ★ | McAfee関連のサービスです。 |
McAfee firewall Core Service ★ | McAfee関連のサービスです。 |
McAfee Module Core Service ★ | McAfee関連のサービスです。 |
McAfee PEF Service ★ | McAfee関連のサービスです。 |
McAfee Service Controller ★ | McAfee関連のサービスです。 |
McAfee Validation Trust Protection Service ★ | McAfee関連のサービスです。 |
McAfee WebAdvisor ★ | McAfee関連のサービスです。 |
Platinum Host Service ★ | ウイルスバスター関連のサービスです。 |
Steam Client Service | Steam(ゲーム配信・コミュニケーションアプリ)関連のサービスです。 |
TmWscSvc ★ | ウイルスバスター関連のサービスです。 |
Trend Micro Solution Platform ★ | ウイルスバスター関連のサービスです。 |
Trend Micro Activity Data Service ★ | ウイルスバスター関連のサービスです。 |
9 続けて、画面上部にある[スタートアップ]タブをクリックします。
[スタートアップ]タブをクリックします。
10 タブが切り替わったら、[タスクマネージャーを開く]をクリックします。
[タスクマネージャーを開く]をクリックします。
11 スタートアップに登録されたアプリの中から、停止したいアプリ*を選択します。
停止するアプリを選択します。
*スタートアップアプリは、ひとつずつ停止する必要があります。
12 画面の右下にある[無効にする]ボタンをクリックします。
[無効にする]ボタンをクリックします。
ワンポイント
スタートアップアプリは、ログイン時に自動で読み込みがされるアプリです。下記のリストを参考に利用していない または 利用頻度の低いスタートアップアプリを停止してください。(表示される項目は環境により異なります)
★マークのついた項目は、セキュリティ関連アプリのため、停止は非推奨です。
スタートアップ アプリ | アプリの概要 | Google Drive | Google Driveのアプリです。 |
---|---|
iCloud Drive | iCloud Driveのアプリです。 |
iCloud キーチェーン | iCloud関連(パスワードの同期)のアプリです。 |
iCloudのInternet Explorerブックマーク | iCloud関連(ブックマークの同期)のアプリです。 |
iCloud共有アルバム | iCloud関連(写真の共有アルバム)のアプリです。 |
iCloud写真 | iCloud関連(写真)のアプリです。 |
iCloud状況ウインドウ | iCloud関連のアプリです。 |
iTunes Mobile Deviceヘルパー | iTunes関連のアプリです。 |
iTunesヘルパー | iTunes関連のアプリです。 |
McAfee Activation Service ★ | McAfee関連のアプリです。 |
McAfee AP Service ★ | McAfee関連のアプリです。 |
McAfee CSP Service ★ | McAfee関連のアプリです。 |
McAfee firewall Core Service ★ | McAfee関連のアプリです。 |
McAfee Module Core Service ★ | McAfee関連のアプリです。 |
McAfee PEF Service ★ | McAfee関連のアプリです。 |
McAfee Service Controller ★ | McAfee関連のアプリです。 |
McAfee Validation Trust Protection Service ★ | McAfee関連のアプリです。 |
McAfee WebAdvisor ★ | McAfee関連のアプリです。 |
Microsoft Edge | Edgeのスタートアップブースト、Edgeバーを起動します。 |
Microsoft OneDrive | OneDriveの同期を管理するアプリです。 |
Microsoft Teams | Microsoft Teams(コミュニケーションアプリ)を常駐させます。 |
Platinum user session agent ★ | ウイルスバスター関連のアプリです。 |
Spotify | Spotify(音楽アプリ)を常駐させます。 |
Skype | Skype(コミュニケーションアプリ)を常駐させます。 |
Trend Micro Client Session Agent Monitor ★ | ウイルスバスター関連のアプリです。 |
Windows Security notification icon | Windowsセキュリティの通知をします。 |
ターミナル | Windows起動時にターミナルを起動します。 |
スマートフォン連携 | Androidスマートフォンと連携して通知などを受け取ります。 |
Microsoft EdgeのスタートアップブーストとEdgeバーを停止する
ワンポイント
ログイン時に読み込みされるEdgeの機能を停止すると、Windowsの起動時間を短縮することができます。また、メインメモリーの消費を抑えることができるので、PCの負荷を軽減することができます。(スタートアップから停止することもできます)
【Edgeのスタートアップブーストを停止する方法】
- Edgeを起動します。
- [(設定など)]>[設定]>[システムとパフォーマンス]とクリックします。
- [スタートアップブースト]のスイッチをオフにします。
【Edgeバーを停止する方法】
- Edgeを起動します。
- [(設定など)]>[設定]>[Edgeバー]とクリックします。
- [コンピューターの起動時にEdgeバーを自動的に開く]をオフにします。
タスクバーの天気(ウィジェット)を無効にする
ワンポイント
タスクバーに表示される天気(ウィジェット)を利用していない場合は、機能を無効にすることで、PCの負荷を軽減することができます。
【タスクバーの天気を無効にする(Windows10の場合)】
- タスクバーの何もない箇所で右クリックします。
- [ニュースと関心事項]>[無効にする]をクリックします。
【ウィジェット(天気)を非表示にする(Windows11の場合)】
- [スタート]>[設定]とクリックします。
- [個人用設定]>[タスクバー]とクリックします。
- タスクバー項目の中にある[ウィジェット]のスイッチをオフにします。
STEP3 システムの設定を最適化する
視覚効果の無効化やシステムメモリーの割り当てを変更して、Windowsの起動が遅い・動作が重い症状を改善します。
(A)視覚効果を無効にする
ウインドウやスタートメニュー、フォントなどの視覚効果を無効にして、画面の描画処理にかかる負荷を軽減させます。(画面はWindows10ですが、Windows11でも手順は同じです)
1[スタート]ボタンを右クリックして、メニューの中から[システム]をクリックします。
[システム]をクリックします。
2関連設定*の項目にある[システムの詳細設定]をクリックします。
[システムの詳細設定]をクリックします。
*Windows11の場合は、関連リンクの中に[システムの詳細設定]あります。
3 パフォーマンスの項目にある、[設定]ボタンをクリックします。
[設定]ボタンをクリックします。
4 パフォーマンスオプションが開いたら、[パフォーマンスを優先する]をクリックします。
[パフォーマンスを優先する]をクリックします。
5[OK]ボタンをクリックします。
[OK]ボタンをクリックします。
(B)リソースの割り当てを変更する
演算処理に割り当てられるCPUのリソースを、実行中のアプリに優先して割り当てるように設定します。(既定では[プログラム]に割り当てられています)
1[スタート]ボタンを右クリックして、メニューの中から[システム]をクリックします。
[システム]をクリックします。
2関連設定*の項目にある[システムの詳細設定]をクリックします。
[システムの詳細設定]をクリックします。
*Windows11の場合は、関連リンクの中に[システムの詳細設定]あります。
3 パフォーマンスの項目にある、[設定]ボタンをクリックします。
[設定]ボタンをクリックします。
4 パフォーマンスオプションが開いたら、[詳細設定]タブをクリックします。
[詳細設定]タブをクリックします。
5 プロセッサのスケジュールにある[プログラム]を選択します。
[プログラム]を選択します。
6[OK]ボタンをクリックして、ウインドウを閉じます。
[OK]ボタンをクリックします。
仮想メモリを無効にする
ワンポイント
物理メモリ(メインメモリ)の容量が十分にある場合は、仮想メモリを無効にすることで、パフォーマンスが向上する可能性があります。(但し、一部のアプリで問題が発生する場合もあります)
【仮想メモリを無効にする方法(Windows10・11共通)】
- [スタート]ボタンを右クリックします。
- [システム]>[システムの詳細設定]とクリックします。
- パフォーマンスの項目にある[設定]ボタンをクリックします。
- [詳細設定]タブをクリックします。
- 仮想メモリの項目にある[変更]ボタンをクリックします。
- [すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する]のチェックを外します。
- Cドライブを選択して、[ページングファイルなし]をクリックします。
- [設定]ボタンをクリックします。
- 警告メッセージが表示されたら、[はい]ボタンをクリックします。
- [OK]ボタンをクリックして、画面を閉じます。