Windows 10・11の高速スタートアップとは
高速スタートアップは、Windows 10および11で利用できる機能で、PCの起動時間を短縮させる効果があります。その仕組みは、シャットダウン時にシステムの状態をハードディスクに保存し、次回の起動時にこれを読み込むことで起動速度を向上させるものです。
具体的には、ハイバネーション(休止状態)と同様に、PCシャットダウン時に、カーネルセッションとデバイスドライバをHiberfil.sysファイルに保存します。次回のコールドブート時には、Hiberfil.sysファイルを読み込むことで、通常の起動プロセスで行われる処理を省略し、システム起動に掛かる時間を短縮することができます。
(尚、高速スタートアップはシャットダウンからのシステム起動時に適用され、再起動には適用されません)
高速スタートアップのデメリットと無効にしたときの影響
高速スタートアップにより、PCを素早く起動できるというメリットがある一方、デメリットも存在します。その最大のデメリットは、システムが完全にシャットダウンしないため、不安定な状態や問題が継続して発生する可能性があることです。これは、ネットワーク接続に問題が生じた際などにも同様に当てはまります。
これらの問題は、高速スタートアップを無効にすることで回避することができますが、PCの起動時間が長くなる可能性があります。以下のグラフは、高速スタートアップを無効にしたときのOS起動時間を比較したものです。
- (PC環境)OS:Windows10 Home 64ビット版、CPU:Intel i7、メモリ:8GB、SSD:256GB
- (テスト方法)高速スタートアップを有効・無効にしたときのPC起動時間をそれぞれ5回計測した時間の平均
上記のテスト環境では、高速スタートアップによる効果は見られるものの、その差は大きくありません。(効果の差は、PC環境により異なります)
ブート時間短縮とのトレードオフになりますが、無効にすることで高速スタートアップをよって引き起こされる問題を回避することができます。特に、PC再起動によって問題が解消されることが多い場合、高速スタートアップを無効にすることを検討しましょう。高速スタートアップを停止したい場合は、次の操作手順を参考にしてください。
公開日: 2021/05/20 ・ 最終更新日: 2023/08/20 ・ 著者:まきばひつじ ・ この記事をシェアする
操作方法
高速スタートアップを無効にする
高速スタートアップを無効にするには、コントロールパネルから設定を変更を行います。高速スタートアップを無効にすることで、Windowsの起動時間が若干長くなる可能性がありますが、環境によってはパソコンの動作が安定することがあります。
1(スタート)ボタンをクリックします。
2[Windows システムツール]>[コントロールパネル]とクリックします。
3 コントロールパネルが表示されたら、[システムとセキュリティ]をクリックします。
[システムとセキュリティ]をクリックします。
4 画面が切り替わったら、[電源オプション]をクリックします。
[電源オプション]をクリックします。
ヒント:「電源オプション」は、ファイル名を指定して実行で powercfg.cpl と入力して開くこともできます。
5 画面左のメニューの中から、[電源ボタンの動作を選択する]をクリックします。
[電源ボタンの動作を選択する]をクリックします。
6[現在利用可能ではない設定を変更します]をクリックします。
[現在利用可能…]をクリックします。
ヒント:「電源ボタンの定義とパスワード保護の有効化」では、以下の項目を設定することができます。(PC環境により表示される項目は異なります)
【電源とスリープボタンの設定】
電源ボタンを押したときの動作 | 電源ボタンを押したときの動作を選択します。 |
---|---|
カバーを閉じたときの動作 | ノートPCを閉じたときの動作を選択します。 |
スリープボタンを押したときの動作 | スリープボタンまたは割り当てられたショートカットキーを押したときの動作を選択します。 |
【シャットダウン設定】
高速スタートアップを有効にする | 高速スタートアップの有効/無効を切り替えます。 |
---|---|
スリープ | 電源メニューにスリープを表示します。 |
休止状態 | 電源メニューに終始状態を表示します。 |
ロック | アカウントメニューにロックを表示します。 |
7[高速スタートアップを有効にする(推奨)]のチェックを外します。
[高速スタートアップ…]のチェックを外します。
8 チェックを外したら、画面下にある[変更の保存]ボタンをクリックします。
[変更の保存]ボタンをクリックします。