
パソコンでスリープモードを設定する
Windowsで、スリープモードを設定することで、パソコンの消費電力を抑え、作業を中断することができます。また、シャットダウンからPC起動させるよりも素早く復帰させることができます。
● 対象OS:Windows10、Windows11

スリープモードとは
スリープモードは、パソコンの動作を一時停止し、システムの状態をメモリに保持したまま省電力の状態へ移行させる機能です。
パソコンがスリープモードへ移行すると、僅かな電力をメインメモリへ供給してシステムの状態を保持しつつ、ストレージデバイスなどのへ電源供給を停止する「サスペンド」という状態になります。サスペンド状態が一定時間続くと、メインメモリの情報をストレージデバイスへコピーしてパソコンの電源を完全に切る「休止状態(ハイバネーション)」という状態へ移行*します。
メインメモリと異なり、ストレージデバイスは、電源供給が停止してもデータが消えることはないので、バッテリーやAC電源による給電を停止しても、システムの状態や未保存のデータを失うことはありません。
「スリープモード」は次のようなシーンで利用します。
- - 休憩などでPCから離れるとき
- - ノートPCの場所を移動するとき
- - 夜間など、PCを使用していない時間帯にセキュリティスキャンや更新プログラムを適用したいとき(設定が必要です)
*サスペンドから休止状態へ移行する機能のことを、「ハイブリッドスリープ」と言います。Windowsの場合、ハイブリットスリープはデフォルトで有効に設定されています。
パソコンでスリープを利用するメリットは?
スリープモードへの移行は、数秒で行われるため、PCのシャットダウンと比較して高速です。また、スリープモードからの復帰もほぼ一瞬なので、パソコンは電力消費を大幅に削減しつつ、作業の中断と再開を素早く行うことが可能です。
パソコンでの作業中に急な中断が生じた場合でも、スリープモードへ切り替えることで作業状況を保存し、再開時には瞬時に作業を再開できます。これにより、作業効率と生産性の向上につながります。
デメリットはありますか?
スリープのデメリットは、電力供給が途絶えてしまった場合、未保存のデータを失ってしまうことにあります。ですが、前述した「ハイブリットスリープ」機能により、一定時間が経過すると休止状態へ移行するため、突然の電源断やバッテリー切れでもデータ損失のリスクを大幅に減らすことができます。
また、長期間、シャットダウンまたは再起動せずにスリープのみでPCを停止させていると、一時的にシステムの動作が遅くなったり、不安定になることもあります。そのような場合は、PCを再起動することで、正常に戻すことができます。
本記事では、無操作の状態が一定時間続いた時に、自動でスリープへ移行させるための設定方法と、電源ボタンまたはノートPCのカバーを閉じた時に、スリープへ移行させる方法を紹介します。併せて、スリープから復帰しない、スリープが勝手に解除されるなどのトラブル解決方法についても解説します。
操作方法
Windowsで、スリープモードを設定する方法です。スリープモードは、無操作の状態が続いた時に自動でスリープさせる方法と、手動でスリープへ移行させる方法があります。
Windowsのスリープ モードを設定する
このステップでは、指定した時間、無操作の状態が続いた時に、自動でスリープへ移行させるための設定を紹介します。この設定により、マウスやキーボードなどに触れず、PCを何も操作しない状態が続くと、システムは自動でスリープへ移行します。
ヒント:DVDやブルーレイ、ウェブのストリーミング動画などの再生中は、何も操作しない状態が続いた場合でもスリープへ移行しません。
1(スタート)ボタンをクリックします。
2(設定)をクリックします。
3 Windowsの設定が開いたら、[システム]をクリックします。

[システム]をクリックします。
4 システムの画面に切り替わったら、[電源とスリープ]をクリックします。

[電源とスリープ]をクリックします。
5 スリープの項目にあるプルダウンメニュー*をクリックし、スリープ移行までの時間を設定します。

スリープの移行時間を設定します。
*「次の時間が経過後、PCをスリープ状態にする(バッテリー駆動時)」の項目は、ノートPCでのみ表示されます。
1(スタート)ボタンをクリックします。
2(設定)をクリックします。
3 Windowsの設定が開いたら、[システム]をクリックします。

[システム]をクリックします。
4 システムの画面に切り替わったら、[電源 & バッテリー]をクリックします。

[電源 & バッテリー]をクリックします。
5 電源とバッテリー画面に切り替わったら、[画面とスリープ]をクリックします。

[画面とスリープ]をクリックします。
6 プルダウンメニュー*をクリックし、スリープ移行までの時間を設定します。

スリープの移行時間を設定します。
*「バッテリー駆動時に、次の時間が経過した後にデバイスをスイープ状態にする」の項目はノートPCでのみ表示されます。
ヒント:スリープの設定画面では、自動で「ディスプレイの電源を切る」ための設定もできます。この設定により、指定された時間、何も操作しない状態が続くと、ディスプレイの電源を切断して、消費電力を抑えます。

「ディスプレイの電源を切る」を有効にすると、画面には何も表示されませんが、Windowsは稼働した状態が続きます。そのため、ムービーの出力や更新プログラムの適用など、長時間要する処理を行うときに、ディスプレイを切ることで、電力消費を抑えることができます。
電源ボタンを押すとスリープするように設定する
手動でPCをスリープモードへ移行させる方法です。設定により電源ボタンやスリープボタンをクリックした時やノートPCのカバーを閉じたタイミングで、PCをスリープへ移行またはディスプレイの電源を切るように設定することができます。
1 (スタート)>[Windows システムツール]>[コントロールパネル]とクリックします。
2 コントロールパネルが開いたら、[システムとセキュリティ]をクリックします。
3 システムとセキュリティが開いたら、[電源オプション]をクリックします。

[電源オプション]をクリックします。
4 電源オプションが開いたら、[電源ボタンの動作を選択する]をクリックします。

[電源ボタンの動作を選択する]をクリックします。
5 各項目のプルダウンメニューをクリックして、動作を選択します。

プルダウンメニューで動作を選択します。
ヒント:「電源ボタンの動作を選択する」画面では、各項目毎に[何もしない]、[スリープ状態]、[シャットダウン]、[ディスプレイの電源を切る]の中から、動作を選択できます。また、ノートPCの場合は、バッテリー駆動時と電源接続時の動作を分けて設定することができます。

【動作を割り当てることのできる項目】
- - 電源ボタンを押した時の動作:PC本体にある電源ボタンを押した時の動作を指定します。
- - スリープボタンを押した時の動作:PCにスリープボタンが搭載されている場合、ボタンを押した時の動作を指定できます。
- - カバーを閉じた時の動作:ノートPCでカバーを閉じた時の動作を指定します。[何もしない]を選択した場合、ノートPCを閉じてもWinodwsを起動したままにすることができます。(但し、ディスプレイの電源は切れます)
*機種によってはショートカットキーでスリープが割り当てられている場合もあります。
公開日:
2022/01/14 /
最終更新日:
2023/06/03 /
著者:まきばひつじ /
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