Windows 10,11

Microsoft Accessをコンパイル&最適化して実行速度と安定性を向上させる方法

Microsoft Accessでは、VBAコードを含むデータベースファイルをコンパイルすることで、構文エラーチェックと最適化を行い、実行速度の向上や安定性の確保が可能です。コンパイル時にはコードが中間言語に変換され、初回実行時のパフォーマンスが改善されます。

ACCDEファイルとして保存

対象OS Windows 10、Windows 11

icrosoft AccessデータベースのVBAコンパイルとは

ACCDEファイルは、Microsoft Accessの実行専用データベースファイルです。通常のACCDBファイルとは異なり、VBAコードがコンパイルされた状態で保存され、ユーザーにVBAコードを表示できないようにします。これにより、開発者が作成したアプリケーションを安全に配布できます。

ACCDEファイルの主な特徴として、以下の点が挙げられます。

  • - VBAコードの保護(ユーザーにVBAコードを表示できないようにします)
  • - 設計変更の防止(フォームやレポートの設計を変更不可にします)
  • - 実行速度の向上

ただし、ACCDEファイルを作成する前に、必ずVBAコードのエラーチェックを行い、データベースが正常に動作することを確認する必要があります。

1. VBAコードのエラーチェック(事前準備)

ACCDEファイルを作成する前に、VBAエディタでデータベース内のすべてのVBAコードをコンパイルし、構文エラーや参照エラーを事前に修正する必要があります。エラーがある状態ではACCDEファイルを作成できません。

  1. Microsoft Accessを起動し、ACCDEファイルに変換したいデータベース(.accdb)を開きます。
  2. リボンの「データベースツール」タブから「Visual Basic」をクリックしてVBAエディタを開きます。
  3. ヒントヒント: ショートカットキー「Alt + F11」でVBAエディタを素早く開くことができます。

  4. VBAエディタのメニューバーから「デバッグ」をクリックします。
    デバッグメニューを開く
    デバッグメニューを開きます。
  5. 「(VBAProject名)のコンパイル」をクリックしてコンパイルを実行します。
    コンパイルを実行
    すべてのVBAコードをコンパイルします。
  6. ヒントヒント: コンパイルが正常に完了すると、メニュー項目がグレーアウトします。エラーがある場合は該当箇所がハイライトされます。

  7. エラーが検出された場合は、エラー内容を確認して修正します。
    エラーの修正
    エラーがある場合は修正が必要です。
  8. すべてのエラーを修正したら、再度コンパイルを実行してエラーがないことを確認し、VBAエディタを閉じます。
    エラーなしを確認
    エラーがないことを確認します。

2. ACCDEファイルとして保存する

VBAコードのエラーチェックが完了したら、データベースをACCDEファイルとして保存します。この操作により、VBAコードが保護された実行専用ファイルが作成されます。

  1. Accessのメイン画面で「ファイル」タブをクリックします。
  2. 左側のメニューから「名前を付けて保存」を選択します。
  3. ヒントヒント: 必ず元のACCDBファイルのバックアップを保管しておきましょう。ACCDEファイルからは設計の変更ができません。

  4. 「データベースに名前を付けて保存」セクションで「実行専用データベースの作成(ACCDE)」を選択します。
    ACCDEを選択
    ACCDEファイル形式を選択します。
  5. 「名前を付けて保存」ボタンをクリックします。
    名前を付けて保存ボタン
    「名前を付けて保存」をクリックします。
  6. ヒントヒント: VBAコードにエラーがある場合、この時点でエラーメッセージが表示されACCDEファイルを作成できません。

  7. 「名前を付けて保存」ダイアログが表示されたら、保存先を選択します。
  8. ファイル名を入力します。デフォルトでは元のファイル名に.accde拡張子が付きます。
  9. 「保存」ボタンをクリックしてACCDEファイルを作成します。
  10. ACCDEファイルが正常に作成されたことを確認します。ファイルを開いて動作をテストします。

3. データベースの最適化と修復(推奨)

ACCDEファイルを作成する前に、データベースの最適化と修復を実行することで、ファイルサイズを最小化し、パフォーマンスを向上させることができます。

  1. 「ファイル」タブから「情報」を選択します。
    最適化と修復
    最適化/修復を実行します。
  2. 「データベースの最適化/修復」ボタンをクリックします。
    最適化と修復
    最適化/修復を実行します。

ヒントヒント: [データベース ツール]タブにある「データベースの最適化/修復」から実行することもできます。

ACCDEファイル作成時の注意点

ACCDEファイルを作成する際は、いくつかの重要な注意点があります。これらを理解しておくことで、トラブルを防ぎ、スムーズな配布が可能になります。

ACCDEファイル作成のポイント

ACCDEファイルを正常に作成し、配布するための重要なポイントを確認しましょう。

バックアップの重要性

❶ 元のACCDBファイルは必ずバックアップを保管(後で修正が必要な場合に備えて)

バージョンの一致

❷ 配布先のAccessバージョンと互換性があることを確認(下位バージョンでは開けない場合がある)

参照設定の確認

❸ 外部参照やActiveXコントロールが配布先で利用可能か確認

ファイル形式 特徴 用途
ACCDB 設計変更可能、VBAコード編集可能 開発・メンテナンス用
ACCDE 設計変更不可、VBAコード保護 配布・実行専用

ヒントヒント: ACCDEファイルは32ビット版と64ビット版のAccessで互換性がありません。配布先の環境に合わせて作成する必要があります。

関連サイト(外部)

VBA コードをユーザーに表示しない 外部リンク

最適化と修復を使用してデータベース ファイルの問題を予防および修復する 外部リンク